地積規模の大きな宅地 通達 概要 問題点

2017.12.27地積規模の大きな宅地 通達 概要 問題点

地積規模の大きな宅地 新通達の概要

新財産評価基本通達(案)

(地積規模の大きな宅地の評価)

20-2 地積規模の大きな宅地(三大都市圏においては500㎡以上の地積の宅地、 それ以外の地域においては 1,000㎡以上の地積の宅地をいい、次の⑴から⑶まで のいずれかに該当するものを除く。以下本項において「地積規模の大きな宅地」 という。)で 14-2((地区))の定めにより普通商業・併用住宅地区及び普通住宅地区として定められた地域に所在するものの価額は、15((奥行価格補正))から前項までの定めにより計算した価額に、その宅地の地積の規模に応じ、次の算式に より求めた規模格差補正率を乗じて計算した価額によって評価する。

⑴ 市街化調整区域(都市計画法第34 条第 10 号又は第11 号の規定に基づき宅 地分譲に係る同法第4条((定義))第 12 項に規定する開発行為を行うことがで きる区域を除く。)に所在する宅地

⑵ 都市計画法第8条((地域地区))第1項第1号に規定する工業専用地域に所在する宅地

⑶ 容積率(建築基準法(昭和25 年法律第 201 号)第52 条((容積率))第1項に 規定する建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合をいう。)が 10 分の 40(東京都の特別区(地方自治法(昭和22 年法律第 67 号)第281条((特別区))第1 項に規定する特別区をいう。)においては10 分の30)以上の地域に所在する宅地

規模格差補正率

A×B+C

———————— × 0.8

A(対象となる宅地の地積)

旧制度の広大地の問題点

1、広大地に該当するかどうかの判断が困難
2、時価と通達による評価額の乖離が大きい
相続時精算課税を使って広大地評価により評価額を下げて贈与を受けたのち、評価額よりはるかに高い価格で受贈者が売却を行っても税務署は何もすることが出来ません。
さらに、首都圏では相続対策として、現金を贈与・相続するより広大地評価できる500㎡以上の土地に資産を組み替える節税ビジネスが増加しているようです。
 また、広大地評価は適用要件が複雑で、税理士が広大地適用を判断することが困難な事例も散見され、不動産鑑定士に鑑定評価や意見書を依頼しないと適用に躊躇する場合が多かったのも事実です。

新制度、地積規模の大きな宅地の概要

 評基通20-2(1)の内容
 これは、戸建て分譲が出来ない土地は新制度の適用が出来ません。市街化調整区域でも戸建分譲開発が可能な土地であれば、適用することが出来ますので注意が必要となります。開発ができるかは、市役所に個別で確認が必要となります。
 評基通20-2(2)の内容
 都市計画法の工業専用地域は除外されます。これも(1)の戸建分譲が出来ない土地となるのと一緒の理由です。
 つまり、その土地が都市計画法の用途地域図を確認しなければなりません。旧制度では準工業地域が広大地評価ができるか争いにる事例がありましたが、今後はこの問題は解決されることになるでしょう。
 評基通20-2(3)
 容積率が原則400%以上の地域が除外。
 広大地評価の際は、容積率が300%以上でしたが、300%の地域でも戸建分譲しかされない地域が多くマンション適地としてグレーな地域も含まれる形となってしまいます。