遺留分侵害額請求 譲渡所得が課税される

2019.08.05遺留分侵害額請求 譲渡所得が課税される

2019年7月1日以後の相続から遺留分減殺請求が遺留分侵害額請求に変わり、金銭請求権となりました。
遺留分侵害額請求により、金銭の支払いに代わって不動産や非上場株等の資産を移転させた場合、その移転者に譲渡所得税が課されます。

 

ポイント
事業承継税制で納税猶予を受けている人は注意が必要!!

従前の遺留分減殺請求は、事業承継税制(相続税)の納税猶予の適用を受けている非上場株をその請求者に返還した場合、納税猶予の打切事由である対象株式の譲渡には当たらず、遺留分減殺請求で非上場株が返還されても、納税猶予を受けていた分の相続税の納付は発生しませんでした。

しかし,改正後の遺留分侵害額請求では,あくまで請求者と請求を受けた者との間で金銭債権・債務の関係が生じるので、その金銭の支払いに代えて納税猶予を受けている非上場株を請求者に移転させた場合、それは納税猶予の打切事由である対象株式の譲渡に当たることとなりそうです。
遺留分侵害額請求がされる可能性がある場合,充分に注意して事業承継計画を実行しなければいけなくなりました。

事業承継税制の打切りも受け、尚且つ譲渡所得となったら、資金繰りが切迫することを留意いして実行してください。